Full Order Made フルオーダーメイドの矯正治療 スタンダードエッジワイズ法
患者さま一人ひとりの歯列の形状・移動に合わせた矯正
スタンダードエッジワイズ法は、患者さまの状態に合わせてワイヤーを3次元的に曲げ、歯に取りつけるという矯正歯科治療です。一般的な技法であるストレートワイヤー法では、歯列全体に沿ってワイヤーがきれいに楕円を描くようにして取りつけますが、スタンダードエッジワイズ法では1本1本の歯の状態に合わせて調節するのでワイヤーがボコボコします。
歯の大きさや歯の傾きなどの情報を精査し、歯科医師が丁寧にワイヤーを曲げてオーダーメイドの装置を作ります。この方法によってより理想的に歯を動かせるようになりますが、立体的に調整するため精密な技術を要します。
- ワイヤーを曲げて個人にあわせて3次元的に調節
- あらゆる症例に適用
- 歯の移動をコントロールしきれいな仕上がりに
- 歯の角度を1本1本変えられる
- 顎を拡げたり、歯を後ろに大きく動かしたりすることで、非抜歯治療が可能になることもある
- 弱い力を持続的に加えられるため、永久歯の矯正治療にも効果的
- 「前後」だけでなく「上下」にも歯を動かすことができるため、全体の噛み合わせのバランスが整えやすい
オーダーメイドな矯正に必要とされる技術力
1本1本の歯の状態に合わせてワイヤーを曲げていきます。ワイヤーを曲げることを「ワイヤーベンド」といいますが、専用の道具を使い曲げていくので専門的な技術が必要になります。こうした技術を習得するには、多くの時間を割いて訓練しなければなりません。スタンダードエッジワイズ法に精通した歯科医師であれば、ストレートワイヤー法以上にきれいに仕上げることが可能です。
- 矯正歯科治療の基礎から応用まで精通し、学識と経験がなければ歯の動きを適切にコントロールできない
- オーダーメイドで装置を作り上げるので、専門的な技術が必要
スタンダードエッジワイズ法のブラケット
ブラケットとは歯に取りつける小さな装置で、スロット(溝)にワイヤーを通して歯を動かします。
ストレートワイヤー法で使用するブラケットは、きれいに楕円を描いたワイヤーを入れると平均的な位置関係に歯が並ぶシステムになっています。一方、スタンダードエッジワイズ法のブラケットはスロットが歯と平行になっているというシンプルな構造です。そのため、歯の状態を見ながらワイヤーを曲げて細かく調整できます。ワイヤーの結び方によってさまざまなケースに柔軟に対応できる、オーダーメイドに適した装置となっています。
マルチブラケット法との違い
一般的に行なわれる「マルチブラケット法」という矯正歯科治療は、1本の歯に対して1つのブラケットを取りつけ、スロットと呼ばれる溝にワイヤーを通して歯を動かします。マルチブラケット法には、「スタンダードエッジワイズ法」(フルオーダーメイドの矯正治療)と「ストレートワイヤー法」があります。
スタンダードエッジワイズ法(オーダーメイドな矯正)
1本1本の歯に合わせてワイヤーを曲げて矯正装置を作ります。患者さま一人ひとりに合わせたオーダーメイドな矯正となっています。一般的なストレートワイヤー法よりも精密な技術を要しますが、歯科医師の理想とする形で歯を動かせるので、よりきれいな噛み合わせに仕上げられます。
ストレートワイヤー法
調整されていない楕円を描いたワイヤーを取りつける治療法です。歯の形や大きさ、歯面の傾きに関する情報の平均値があらかじめ組み込まれたブラケットを歯に接着することで、ワイヤーを通したときに平均的な位置関係に歯が並ぶシステムになっています。
- ・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
- ・最初は矯正装置による不快感、痛みなどがあります。数日から1~2週間で慣れることが多いです。
- ・治療期間は症例により異なりますが、成人矯正や永久歯がすべて生え揃っている場合は、一般的に1年半~3年を要します。小児矯正においては、混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に行なう第1期治療で1~2年、永久歯がすべて生え揃った後に行なう第2期治療で1~2年半を要することがあります。
- ・歯の動き方には個人差があるため、治療期間が予想より長期化することがあります。
- ・装置や顎間ゴムの扱い方、定期的な通院など、矯正治療では患者さまのご協力がたいへん重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- ・治療中は、装置がついているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まるので、丁寧な歯磨きや定期メンテナンスの受診が大切です。また、歯が動くことで見えなかった虫歯が見えるようになることもあります。
- ・歯を動かすことにより歯根が吸収され、短くなることがあります。また、歯肉が痩せて下がることがあります。
- ・ごくまれに、歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ・ごくまれに、歯を動かすことで神経に障害を与え、神経が壊死することがあります。
- ・治療中に金属などのアレルギー症状が出ることがあります。
- ・治療中に、「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口をあけにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- ・問題が生じた場合、当初の治療計画を変更することがあります。
- ・歯の形状の修正や、噛み合わせの微調整を行なうことがあります。
- ・矯正装置を誤飲する可能性があります。
- ・装置を外すときに、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、補綴物(被せ物など)の一部が破損することがあります。
- ・装置を外した後、保定装置を指示どおりに使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- ・装置を外した後、現在の噛み合わせに合わせて補綴物(被せ物など)の作製や虫歯治療などをやり直す可能性があります。
- ・顎の成長発育により、噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- ・治療後に親知らずが生えて、歯列に凹凸が生じる可能性があります。
- ・加齢や歯周病などにより歯を支える骨が痩せると、歯並びや噛み合わせが変化することがあります。その場合、再治療が必要になることがあります。
- ・矯正治療は、一度始めると元の状態に戻すことが難しくなります。